MEC 株式会社気象工学研究所
気候変動に関する調査研究

気象工学研究所は、気候変動にともなう水資源環境の変化の分析と、分析結果を踏まえたコンサルティングにより、社会に貢献します

気候変動について

IPCC第6次評価報告書では地球温暖化が⼈間の影響で起きていることを、「疑う余地がない」と評価しており、すでに世界の平均気温は1850~1900年から1.1℃上昇しています。 実際に地球温暖化にともなう気候変動は、気温の上昇、大雨の頻度や強度の増加、干ばつの増加、大気中の二酸化炭素濃度の増加による海洋酸性化など、世界のさまざまな場所で進行しています。

近年頻発する異常渇水や集中豪雨は、地球温暖化が大きく影響しているといわれています。

気象工学研究所の取り組み

気象工学研究所では、気候変動による渇水・少雨への影響に関する研究を、国土交通省の研究機関である国土技術政策総合研究所からの受注業務で実施し、多くの成果を上げています。

研究の実績をもとに、気候変動による影響についてのご相談も承っております。

  • ・気候変動による水力発電使用可能水量の変化
  • ・大規模工場で利用可能な水量の変化
  • など

  気候変動による「少雨」や「渇水」への影響分析(研究成果)

気候変動時の環境を予測したシミュレーションの結果より、「少雨」・「渇水」が起こる頻度が増えると分析しています。

本研究は、公益社団法人土木学会主催の「第33回地球環境シンポジウム(2025年9月開催)」で発表しています。

気候変動と「少雨」や「渇水」について

気候変動により、なぜ「少雨」や「渇水」が起こりやすくなる?

2つの大きな要因があります。

  • ・雨の降り方が変わり、大雨や干ばつの程度が激化
  • ・土壌や水面からの蒸発や植物から蒸散する水分量が増え水資源が減少

渇水になるとどうなる?

渇水の程度によって、下記のような影響が考えられます。

渇水の程度 影響
軽い 自主的な節水の呼びかけ(残り湯を使って洗濯する等)
中程度 水道水の減圧、プールや噴水での水の利用が中止
厳しい 夜間断水、完全断水

気候変動による水資源への影響を予測することがどうして必要?

河川計画や水資源開発計画などを適切に立案する上で不可欠です。

渇水に対して、今後、期待される技術は?

中長期的な気象予報を使って、渇水調整を早めに開始し、水を長く使えるようにすることが必要です。

気象工学研究所で進めていることは?

気候変動モデルのデータを用いて、高精度な気候変化予測手法や異常降雨などの流出予測手法について研究開発を進めています。

気象工学研究所における研究実績

バイアス補正データの開発

日降水量データと日平均気温データを対象に、全国109水系の流域内及び近傍の観測データを参照して、全国版d4PDFダウンスケーリングデータのバイアス(偏り)を補正したデータを作成しました。このデータは2025年2月にDIASで公開しています。
※ 文部科学省「地球環境データ統合・解析プラットフォーム事業 データ統合・解析システム(DIAS)-全国版d4PDFダウンスケーリングデータのバイアス補正データ」

気候変動による気象への影響を評価

気候変動による渇水への影響を評価するため、バイアス補正データを用いて、過去、2℃上昇、4℃上昇を想定した各実験における少雨年の発生頻度、年積算降水量・年蒸発散、年水賦存量を計算しました。 その結果、少雨年の発生頻度は,確率規模が低頻度の程度のものほど増加傾向、年積算降水量・年蒸発散量・年水資源賦存量は,それぞれ減少・増加・減少傾向となり、使える水資源が減少する傾向であることを示しました。

気候変動による河川への影響を評価

気候変動による渇水への影響を評価するため、 バイアス補正データを用いて、過去・2℃上昇・4℃上昇を想定した実験における渇水流量を計算しました。 109の1級水系毎に構築した流出解析モデルで渇水流量を計算し、渇水傾向であることを示しました。
※ 渇水流量とは、1年(365日)分の日流量を大きい順に並べたときの355番目の流量を指します。